東京大学(英語)入試問題分析

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3月 182014
 

扱われている文そのものは,飛びぬけた難しさがあるわけでないものの,受験英語を超えているのが東大の英語。読み,書き,聞き,話すという英語能力の4技能全てにわたる習熟度を問われている。話す力だけはなかなか測りにくいが,なんとか自由英作でその力の一端を見ようとしている。与えられたものをこなしているだけでは,この力をバランス良く伸ばすことは難しい。自ら足りないところを適切に把握し,それを補う行動を起こす必要がある。全体に高い国語力を要求されているため,国語をしっかり勉強しておくことが必須。

1 要約・長文適語補充
(A) 要約
最終段落に主張が集中している。繰り返し同じ主張をしているので,内容はとりにくくない。前半のstaircase=「何度も上り下りしているうちに擦り減った石の階段」は,「たとえ小さな力でも長期間に渡って繰り返されるとそれが蓄えられて,大きな影響をおよぼす」というものの例。後半の主張は,「一人一人の行動が地球の環境与える影響は小さなものだが,70億も集まるとその影響は莫大なものになる」という主張。字数に比較的余裕がある。標準的。

(B) 長文適語補充
文自体は明快であり,標準的であったが,選択肢が全て動詞の原形で始まっており,文法的なヒントがない。てこずったのではないか。

1 the automation revolutionの初期,このtechnologyによって仕事が(  )と人々は考えた。
工場はthis reductionの最初に起こる場所だと考えられた。
ア)下から消えていく,なくなっていく

2 機械化が進行している間に,the manual workersの一つ上の階層,すなわちthe mid-level managementの仕事は(  )始めた。しかしながら,the ladder の頂点に立つboss and executiveの人々は地位を保ち続けた。
オ)従業員が直接的な指示を以前ほど必要としなくなったために消え

3 the computer revolutionによって情報処理の自動化が起こり,このことによって工場で始まったthe mid-level job lossは(  )ことになった。
カ)融資の申し込みを査定するような事務仕事にまで広がる

4 U-curveの一方の頂には,最も尊敬されず給与も低いthe blue-collar jobsがあるが,もう一方の頂には高く尊敬され給与も高いthe white-collar jobがある。その後者,U-curveのもう一方のendにある仕事は(  )。そこには,弁護士,生化学者,心理学者らがいる。
ク)知的,直観から生じる技能により依拠している

5 U-curveの底では物事はより単純である。そこでの仕事は(  )。this kind of workをするコンピューターの能力が高まることによって,事務員や帳記係の仕事が失われつつある。
ウ)情報を集めて伝達することを伴う

2 自由英作
(A) 昨年度に続き,写真に写っている2人の会話を想像して自由に英作する問題。今年は,自動販売機を見つめている男女と,その横に座っている犬の写真だった。犬をうまく会話に組み入れることがポイント。

(B) People only see what they are prepared to see. という文から,「これについてどう考えるか」英語で書け,という問題。「人間というのは,自分が見よう(聞こう)としていることをのみ見(聞きし)て,自分が見よう(聞こう)としていないことは目に入らない(,耳に入れない)ものだ」ということわざのような内容。普段から物を考え,かつ柔軟に発想する学生に来て欲しいという大学のメッセージを感じ取れる。難。

4 文法・和訳
(A) 昨年度の並べ替えから,例年通りの文脈上,取り除かなければならない語を探す問題に戻った。東大としては標準的。修飾語を外して,文の骨組みをしっかりとること。
(1) has→is none is damagedという主語,動詞関係に合わせる
(2) the relations are that a source of happiness というSVCの関係
(3) the fundamental satisfaction for which it [the family] is capable of yielding 関係代名詞whichは他動詞yieldの目的語
(4) a very deep need for remains unfulfilled というSVCの関係
(5) toward any of other human being any other+単数名詞「他のどんな〜」

(B) 和訳。全体としては,標準的。(1) 3つのうちでは最も難しかった。caseの訳がとりにくかったと思われる。(2), (3)は標準的で特に難しくない。

(1) S can make a case for ~「〜に対しての擁護論,賛成論を唱えることができる」の受動態。
case「ある議論を支持する主張,論拠,擁護論」
on grounds of ~ の部分は修飾語。「〜を根拠にして,〜に基づいて」
either approach 全文のit can ~「成員全員に同じ給付をするapproach」と it may ~ 「助けを必要とする少数の者のみに給付するapproach」のどちらのapproachにも

(2) S guarantee all the minimum level of help というSVOOの文の受動態。all 「全ての人,成員全員」secure 「確保する,手に入れる」

(3) High levels of taxation will not make those people feel unfairly treated. という文の受動態。

5 長文読解
時間の流れがつかみにくい。語数が増えた上,最後の問題での作業に苦労した者が多かったのではないか。

(1) (7) 英文による内容一致は,選択肢がはっきりしており,選び易い。
(2) (4) 語彙問題は,文脈から推測するものであるが,やや難。
(3) 和訳は標準的だが,文全体の流れから思い切った意訳が必要。
(5) even if they [the lessons] were given by the belt or bootという表現から考える。
(6) 適語補充はb, c をセットで埋められる。残ったaは埋め易い。標準的。
(8) do this の意味することを述べる。主語のYouが親としての読者一般を指していることに留意して「身近な場所から引き離すという試練を課す」といった内容を書けばよい。
(9) 出来事の起きた順に並べる問題。文章で出てくる順番とは違っており,難。時間を表す表現と時制に着目する。電車の中での回想シーン→セーヌ川を走って戻って来た後,電車に乗る場面→息子の部屋とルームメイトに会って別れる場面の3つに分けて考えるとよい。最後にこの問題を持ってきて,知的負担に耐える力を試している。

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一橋大学(数学)入試問題分析

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3月 092014
 

2014年度 一橋大学 数学入試問題分析

赤星が担当します。

整数論・確率の問題が厳しめなのは,「一橋らしさ」そのものである。今年も,第1問の整数論と第5問小問(3)の確率は,受験生に真っ向から挑んできた。講師としては,大変面白く解かせてもらっているが,一橋の数学は本当に一朝一夕ではどうにもならない。全体を通していえば,第2問,第4問は割かし平易であるので,ここで確実に得点をとり,第3問と第5問で小問の前半は確実に解答すれば,合格点は十分確保できるはずではある。「あきらめたらそこで終わり」ですよ。

[第1問]
素数で偶数のものは,2以外にないこと(他の素数はすべて奇数であること)から,a,b,cの偶数・奇数の別によって絞り込んでいくこととなる。
a-b-8>0かつb-c-8>0から,a,bは共に8以上ということに気づければ,それほど絞りこみはきつくないが,試験会場でそれを受験生に求めるのは難しい。

そこで,「受験生らしい発想」を想定してみる。

まず,第1式だけに注目すれば,a-b-8が素数であることから,①a-b-8=2 or ②a-b-8=奇数の素数ということになる。
次に,第2式を見ると,b-c-8が素数ということになるが,この式からも第1式と同様の帰結③b-c-8=2 or ④b-c-8=奇数の素数が導かれる。
そこで,この①~④がどのように両立し,どのように両立し得ないのか,を考えていくとよい。

①の場合,a,bは共に偶奇は一致したものでなければならない。そして,共に2であることはありえないことも明らかであるから,結局,共に奇数の素数である。
そして,かかる場合に,③,④はどうなるだろうか,というような順で考えていくとよかろうか(その過程で,いろいろ試行錯誤することにはなるが,cがそれほど大きくなることはありえず,結局2と3になることも発見できるであろう)。

[第2問]
ひねりはなく,粛々と微積分の計算をすればよい。全受験生完答すべし!

[第3問]
新高校3年生からは,数IIIで複素数平面が13年ぶりに復活(2001年までは数学Bで扱っていた)しているが,円上の作業で,回転とかは複素数平面で楽しく分析できる。どうも,今回は,作問の原点にあるように思われてしかたない。もっとも,今年の受験生はそれを知らないから,図形と式,三角関数で頑張るしかない。
(1),(2)はなんとか食らいついてほしい。
(3)は円上の点を座標でおくことになるが,ここで,(sin α,cos α)とおけたか(パラメータをαの1文字にする!)である。もっとも,難関受験生であれば,どこかでたたき込まれているはず・・・ですよね。

[第4問]
球になにか立体が内接する問題など,どこぞでいつも出題されているので,余裕だった・・・といえるようになってほしい。一橋では90年代に出題されていたし,東大も2001年で似たような問題が出ている(そっちのほうが難しいかな)。志望校及び同レベル大学の過去問20年分くらい解くのは当たり前?ですよね。

[第5問]
(1),(2)で実験(部分点かせぎ)し,(3)につなげる典型的な形式・・・だが,(3)に実験の成果を生かせるか,である。
結局,表がn-3回以上でないとどうしようもないことが見抜けたら,あとは,4パターン(表がn,n-1,n-2,n-3回)の計算をするだけなのだが,表がn-3回以上ということが運面の分かれ道ともいえるし,それほど実験から自明なわけではないので,頭の柔らかさは要求される。

東京大(文系数学,現代文),京都大(文系数学,現代文)入試問題分析

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2月 262014
 

第1日目の主要国公立大の入試問題を解いてみた感想です。
今回の担当は,赤星です。東大(文系数学,現代文),京大(文系数学,現代文(文・理))についてです。
ほか,2日目,東大,京大(理系),その他主要難関大学の入試問題についても,当塾講師陣でリレー執筆しますので,お楽しみに。

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大学受験を通して必要な国語の力とは【論考】

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5月 292013
 

長らく大学受験を担当していますと,あと一歩のところでくすぶる諸君に共通していえることは,読解力,すなわち国語で養うべき力の欠如が原因にあるということが見えてきます。

当塾では,理系で,受験科目として必要でないから,センターのみだから,という子には,中間学年において特に折に触れて「国語」の授業を行うことがあります(たとえば,講習会などで,英文を含む自然科学系の文章の読解講座や数学の問題であっても相応の読解力・論理力を問う問題など)。「ガチ」で理系の皆さんに,受験科目でもない「国語」の授業をすることはいたしませんけれども,国立大学が視野に入るのであれば当然国語は受験科目となりますし,私立か国立か,まだ双方の可能性を秘めている中間学年においては,是非,国語の授業を通して読解力を養成していただきたいと思います。

当塾では,つまらない国語の授業はいたしません。そのかわり,一回あたりの負担はかなり大きいことはあらかじめおことわりしています。しかし,短期間で正しい読解力を身につける授業はお約束いたします。

以下,当塾「数学科」講師による論考です。一読ください。

「国語は受験科目ではないから勉強する必要はない」(理系)
「国語は後回し。あまり勉強する必要性を感じない。」(文系)
そう考える人がいますが,これは大きな間違いです。ある程度の国語の力が無ければ,たとえ国語が受験科目でなくとも,受験を乗り切ることなどできません。国語の力とは,文章から論理を読み取り,自らの手で論理を組み立てる力だと言い換えることができます。国語の問題を解くときには,正確に作者の意図を読み取り,またそれを自分の言葉を使って再構築しなければいけません。このようなとき,必要不可欠となるのが国語の力です。
これは全ての教科の基盤をなすものであるといえます。たとえば数学や理科の問題を解くにしても,問題文から必要な情報を正確に読み取ることができなければ,問題を解くという土俵に立つことすら許されません。また,読み取った問題に対して,どんなにすばらしい解答を頭の中に思い描こうとも,それを紙の上に表現することができなければ,無意味というほかはありません。端的に言えば,数学の勉強だけでは数学ができるようにはならないし,理科の勉強だけやっていても理科ができるようにはならないのです。たとえ苦労して知識や解法を頭に詰め込んでいったとしても,国語力という土台がなければ,それを十分に使いこなすことはできません。ある程度までは成績が伸びるかもしれませんが,いつかは頭打ちになる日が来ると断言します。
受験が近づくにつれ,国語が試験科目でない人は特に,国語に勉強する時間を割くことが難しくなっていきます。チャンスは今しかありません。たとえば空いた時間に本や新聞を読むだけでもよいのです。そういった少しの努力の積み重ねは,あなたの背骨となり,あなたを支えてくれるに違いありません。

2013年東大合格者と在塾生の座談会1

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3月 132013
 

本年,当塾から東京大学(理科II類)の栄冠を見事勝ち取った生徒さん(W君)が当塾に訪れ,将来後輩になりたいという塾生(次年度より高校2年のT君)が声をかけ,即席の座談会が開かれました。その際に,塾生を始め,受験生(東大志望者に限らず)の皆さん有益と思われるやりとりを抜粋してここに掲載いたします。是非参考にしてみてください。
長時間に及ぶ座談会になってしまいましたので,数回に分けてお送りします。

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