3月 092014
 

大阪大学(文系数学)
 赤星が担当します。

 全般的に,計算量は少なく,基本的な問題が増えたように思われる。昨年も,それほどひねりはなかったが,計算量がそこそこだったのに比すれば,難易度もそれほどではない。ただし,第3問の微積分の問題については,文字ばかりであり,きちんとした計算力を要求される。

[第1問]
複素数の設定になっているが,実部と虚部の係数比較を除けば,複素数がメインテーマの問題ではない。直線の垂直条件を検討するにあたり,法線ベクトルの内積計算に帰結させられれば計算が容易に済むのは定石(本問では,そこまでしなくても一目瞭然であり,またゼロで割る心配もない)。
交点を求める最後まで,ただ作業をしていくだけの印象であり,極めて平易であるといえよう。

[第2問]
見た瞬間に三角関数の和積の公式が思いつかなければゲーム終了である。しかし,このような問題において和積が登場することを想起するのは,国立大を目指す者であれば当然であり,かつ,和積の公式ってなんだろう,とか現場で考えている者は明らかに演習不足である(もちろん,ど忘れしても,その場で「作る」べきであるし,そこまで理解しておくことが求められる)。

[第3問]
x=0を除けばすべてが文字という問題。しかし,条件の設定は何のひねりもない。粛々と文字式の計算をしていくこと,pと0の大小関係の場合分けを失念しないこと(当たり前であるが),程度。強いて言えば,計算力で差がつくが,時間が足りなくなるほどのものではない。

[全体を通して感じたこと]
※合格したければ,全問完答すべきレベルである。
※確率や整数論に関する問題が出題されず,ベクトルを正面切るような問題もない。厳しい(おこがましい?)言い方をするようだが,昨年といい,従来の阪大にあるような思考力を要求するような問題が2年続けて出題されておらず,どうした阪大!と言いたくなる(昨年は,安直に点と直線の距離の公式導出で1問出ているが,通常の受験生であれば当然,直線との距離とは図形的に何を求めるべきかを考えればなんとでもなる),本年は更に増して受験生の思考能力につき鋭く切り込む姿勢が感じられず,作問上やや手抜きを思わせる。
いや,これは正しくないのかもしれない。東大,京大でも,かような丁寧な基礎を試す問題が出ていることからすれば,近年は,数学の基礎体力(計算力,基本的なツールの運用能力)が重視される傾向にあると解すべきである(執筆者は90年代の東大,京大等のイメージが強すぎるのかもしれないが,当時は本当に全問厳しい時代だった。2000年代からは「解ける」,「解くべき」問題は必ず出題されている)。

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