3月 172015
 

2015年入試を終えて

執筆:西荻塾高校部総括(赤星)
(割と思いのたけを叫ぶため,読みづらいかもしれません)

大学受験塾ブレーヴアウト・進学塾tIPS改め,「西荻塾」としてスタートして2年目となりました。
今年も,筆舌に尽くしがたいほどの素晴らしい,そして面白い(個性的な)受験生たちに支えられて2015年入試を総括する時期がやってきました。事後的に失礼になるかもしれませんが,本当に今年も受験生をはじめ,スタッフや保護者のみなさまを含めて,「人」に恵まれた西荻塾でした。
まずは,西荻塾スタッフ一同,すべての受験生たちの健闘に心から敬意と感謝の意を表したいと思います。

さて,2015年の総括をせよということであれば,入試傾向や新課程への移行,失敗,成功を含めた詳細な分析を行うべきところでしょうが,そこは,別の機会に,詳細な資料を後日配布することでご容赦いただくとして,西荻塾としてどのように受験生たちと接してきたか,という点に絞って総括をさせていただきたいと思います。

思えば,今の西荻で小中高を対象とする塾を立ち上げて7回目の総括となりますが,「西荻塾」となっても変わらないことがある。高校部のみならず,全体を通じて西荻塾がめざすもの。

教え子たちとの信頼関係は,とにかく大切にしたい。
スタッフと塾生みなが一同に,一体感を失わない場所にしたい。

すべてを美談的に語ったところで,つまらない話ですし,第三者からすれば,「ああ,そうですか」というレベルなのかもしれません。しかし,私たちの塾は,すべての生徒たちとの強い絆を確かに感じています。
小中高すべての学年を通して,「この塾でなければ」,「いろいろ塾を回ってここに流れ着いた形ですが,笑顔で卒塾してくれてよかったと思います」,「極度の緊張状態にあったけど,塾での時間を思い出したら,落ち着けた」・・・。いかにも,広告宣伝のうたい文句,作り文句のような言葉ですが,実際に,面談や,卒塾のたび,そういう言葉を塾にいただけたこと,これは今年も塾生たちとしっかりとした絆を築くことができたという証左であろうと考えています。
我々は,第三者からなんと言われようと,これが西荻塾の誇りとするところであって,熱くなる胸はしっかりと張るべきであると自負しています。

(美談になるコメントばかりで恐縮ですので,一つだけ,これも西荻塾に対する卒塾コメントのトップ5なのですが,「この塾へんな塾(笑)」。笑いながら,そういうこと言うなよ・・・それ,他の学校の友達に吹聴してないか?困るじゃないか!)

話をもとに戻しましょう。

本年度入試は,改めて私たちの原点を再認識したし,何らかの形で文字に起こしておこうと思った,そういう「そのとき」だったと思います。
ありがたいことに塾生数が増えてきて,反面ちょっと寂しいのですが,なかなか私たちが全員の生徒の授業を担当できる状況ではありませんし,この記事を書く私は化学とか物理はもうちょっと分からないです。得意だった世界史も全部忘れました。

今年は,塾内組織の再編もあって,特に授業に携わる時間も減りました。
ある程度,塾内をきちんとした組織にし,「安定し,円滑な塾業務が行えるように」といういわゆる経営判断的な部分はあって,授業以外でばたばたしている時間も2乗に比例して増えてきました。

もちろん,信頼の置ける,そして私なんかよりももっと良い授業と指導ができる講師がたくさん育ったのも今年。そこで,私は,授業を減らすというオプションを選択しました。

しかし,今年,思い切って授業数を減らしてみて,けっこう寂しい。ものすごく寂しい。

どこまでも,授業屋なんですよね。おせっかいかもしれないけれど,やはり生徒と接する時間を欲している。

じゃあ,なんとか授業時間外で,きちんと塾生の顔を見てあげることはできないか。
そこで,1月に入ってからは,ともすれば夜型の塾講師が多いところ,無理矢理朝方に変え(途中で体調崩すハプニングつきで)受験生たちと接する時間を長く取りながら仕事をこなすことにしました。13時頃に出勤して,「やあ,皆の衆,がんばってるね」といわんばかりに挨拶して,かかえている授業以外の業務に没頭して,24時に退勤するスタイルを,朝の8時30分からに改めることにしました。
朝から受験生を自習室で迎え,授業はせず,コンプライアンス関係の仕事や渉外をやりながらも,しかし,ときおり塾生たちのもとへいき,随時相談に乗る。午後は,みなみなが授業に出席してしまうので,授業のない朝に,「授業を持たない」担当講師に専念することにしました。

授業外の時間で,全員に挨拶をして,休息時間に一緒に話して,ときに,表情の硬い子をほぐす。ときにみんなでギャグを言って笑って。生まれつきのドジで,ときどき本棚にぶつかって結構痛がって,こけそうになって「不吉」だと非難を浴びて,「かわりに俺がこけている」と切り返して。そして,それぞれが本気で集中して。

そういう毎日を過ごすようになって,入試本番を迎えました。直前に不安を共有し,直後にともに喜び,逆に,思いっきり一緒に凹む,という時間を共有させてもらう,格別な時間の到来です。
彼らとのつきあいは,それこそ小学5年の「クソガキ」時代から知っているやつから,今年からの受験生まで,長短様々なのですが,そんなの関係ない。とにかく,全員に対して格別なひとときを迎えることができました。

そして,何よりも,そのような時間を受験生と共有しようとするスタッフ一人が増え,そしてまた一人増え,という流れができたことも,講師側の人間として,とてもうれしく思いました。
(労基法上の制約もあるので,ブレーキもかけますよ笑)
それでも,頼んでもいないところで,入試当日に朝から受験生を励ましに行くと名乗り出てくれるスタッフが出てきたのには驚きました(普通は大学受験生に「入試応援」は考えていません・・・こちらも,労基法関係の調整で苦慮しました笑)。

そんな中で,では,西荻塾スタッフが特別にやってきたことは,何ですか?と問いを発してみます。上記の話?

強いていえば,中高通して,「教室のやりくり」でしょうか。
中高30名前後が一同に上述のような状況になると,地獄の「教室のやりくり」です。あの教室なら今日は空いているからそこ。でも,そこで補習が・・・
毎日,涙目の教室配分でした・・・

・・・うーん。持ち回った言い方をしようかと思いましたが,面倒だし,ここまで読んで下さる人がいるかも分からなくなってきたところですし,それはやめましょう。

授業を持たない日でも,そして授業を担当していなくても,絶対に,生徒たちとの一体感は失わない。一緒に戦う。

そんなの塾じゃない。「変な塾だ。」

特に,大学受験塾や大手進学塾のスタイルからすると,授業のことを書かない時点で本当に変な塾かもしれません。そして,文字で塾の雰囲気が描かれているにもかかわらず,幾分,うざったくて,暑苦しい感がある。絆,信頼,これが塾のコメントに頻繁に出てくるものか。学校ではなく,所詮塾ではないか。

もちろん,組織を,大きくしてみたいという野心がないといったら嘘八百になります。そのためには,感傷に浸っているばかりではいけない。実業家やビジネスマンから叱咤を受けそうです。しかし,ビジネスはビジネスとしてでも,私はそれだけで人は動かないと思っています。特に西荻塾は。

崖の上のポニョの舞台となった広島県の「鞆の浦」周辺を巡る再開発の行政差止訴訟においては,環境弁護団の活躍が光りました。第1審で画期的な差止決定が下り,現知事は予定されていたプランでの再開発を凍結するにいたりました。
事件を担当した弁護団は,日当や旅費も受け取らないと聞いています。もちろん,生活はあるから,そればっかりというわけではない。しかし,信念や正義感に素直に従う日々があっていい。

今年の西荻塾も同様で,信頼や絆に素直になって動いてきたように思います。しかし,これが特別なことであるのか?特筆すべきことか?迷いはぬぐい切れていないまま文字におこしています。

(もちろん,労働従事と信頼や絆に素直に従うことの線引きが非常に難しい職務であると思いますから,全面に絆や信頼を打ち出してその大義名分のもとでタダ働きをさせてしまうことは,それこそ「ブラック企業」になってしまいますので,結局は,労基法の対象外たる塾の責任者たちが踏ん張るか,しなくていいと説得しても,いやいや我こそは!と名乗り出る頼もしいスタッフに集約されることも多いわけですが・・・笑)

確かに,すでに,卓越した自己管理能力を持ち,自ら意識的に学ぶことができる子,います。高校生ともなればなおのことでしょう。
大丈夫。そういう子は,大手の予備校,マスプロ授業であってもやっていける。
そして,もちろん,塾の使命は,受験指導であって,それ以上でもそれ以下でもないのも承知ですから,生活指導とか精神修行など考えていません。

しかし,「受験」に特化しても,受験について,ともに笑って凹む日々は,あっていいんじゃないでしょうか。在学校も,志望も,文系理系も違えど,受験生が,そしてスタッフたちが運命共同体になることはそんなに不自然な流れでしょうか。

個人塾・・・千差万別です。しかし,こういう個人塾があっていいように思うのです。変な塾でも。
かつては,もう少し経営効率のよい個人塾を考えていましたが,まあ今のところ,あまり良くないのも事実です。高校部だけでもこうなのに,中学部までそれをやられると,会計監査人から文句が出ます。出ています。

しかし,西荻塾とは,やっぱりそういう「変な塾」であります。それ以外で,変なところは,少しずつ,改めていくつもりです。まだまだ「未完の小器」だと鼻息は荒い。しかし,「変な塾」であることは,申し訳ないがやめようとは思っていません。

「なつかしくて,西荻に寄った。ケーキ屋でバイトを始めたんだけど,売れ残りのやつです。みんなで食べようと思って。」
「バイト決めたいんだけど,何がいいですか?」
「大学で経済学がわかりません。先生!教えて!」

(いい加減卒塾しろ!大学生だろうが!と思いつつ,)
ああ,これがうちの塾だ,と思うわけです。

今年も,「変な塾」その意味において,反省のない,2015年入試であったと思います。
もう一度,卒塾するみなさんに,心から敬意と感謝を込めて。
(没原稿になるのを恐れながら・・・)

西荻塾 赤星が担当しました。また,2016年入試も楽しみにしています。

Sorry, the comment form is closed at this time.