京都大学(文系古文)入試問題分析

2014京大[文]古文

設問の対象となる傍線部は比較的意味をとりやすい。それだけに一語一語を正確に訳し,必要があれば適切な語句を補うことのできる力が求められる。話の展開は本文前の解説を読めば容易に想像がつく。難易度としては例年並と思われる。

問一 現代語訳。まず「里居」をどう訳すか。「限り」は「最後」の意味。その上で正確に訳出したい。

問二 傍線部は「ものを言うことができないので」となる。場面を整理すると,御所より退出を命じられた二条は,御所にいるのは今日が最後と泣きぬれているところに,仲違いをしている西園寺実兼がやってきて慰められるところ。心情の軸はこれでわかる。ここに傍線直前の「問ふにつらさ」に注があり,その和歌より「つらい状態の時に質問をされるとかえってつらい」という意味がとれる。この部分を西園寺実兼に声をかけられたことにからめて書き加える。

問三

(3)「御所ざまの御気色」の主語は明示、「かかる」の内容を具体的に書くことがポイント。

(4)「いかにしてか」は反語。この後に「顔を見る」に相当する語句が省略されている。そのことは傍線直後の部分から読み取れる。

(5)「いかでか」は反語。「御恨めしく」思う対象を補うこと。