2019年の入試を振り返る
目次
今年も
2019年入試の結果が出揃い始めました。入試に関する総括といいながら、国公立大学入試日頃に書くのが通例ですが、来年度の入試は始まっていますから、そのためにも早めに総括しておきたいと思います。
あるひとりの合格体験手記より
まず、今年、早稲田大学に合格した高卒生から寄せられたメッセージをご紹介しましょう。ご本人および保護者の方にはあらかじめ申し上げた上で、それでもなお依然として大変失礼とは承知の上で、ハッキリと申し上げますと、最初に出会ったのは中2の冬。そのときの公立中学校の定期テストで数学20点台(推定偏差値30くらいでは)というレコード記録保持者です。こいつは勉強など一切していなかったな、と。ビリギャルだ。しかし、ほぼ全ての日、午前8時頃から午後9時過ぎまで、努力に努力を重ねて道を切り開いた一人です。合格後の談話の後、対談の要旨をメールで送ってくれ、と塾へ送ってくれたメッセージです。涙が出る思いでした。
得点源にした科目とその勉強方法
①もっとも得点源となった科目
数学
②得点源科目を伸ばすために工夫したこと
・役に立った授業や教材など何度も同じ問題を繰り返して問題のパターンを知ったことが役に立った。Focus goldを短期間に何周もするという課題がとても役に立ったと思う。
③実際に合格した大学での入試での手応え
手応えというか、どの大学の入試にも自信を持って取り組む事ができて、楽しかった。(早稲田は満点近く取れている模様)
不得意科目とその工夫
①不得意科目
英語と現代文
②攻略の工夫
毎日英文や現代文を読むようにしていた。英語や国語は知識で取れるところ落とさないようにすることと、英文や現代文は点を取ろうとすることよりまず文章を理解しようという姿勢で取り組むようにしたらだんだん点が取れるようになった。
受験勉強全般や努力の姿勢について、後輩たちにメッセージを。
受験勉強をするにあたって、受験勉強をさせられているとか受験しなきゃいけないからという意識ではなく、自分が受験をするという選択肢を選び自分のために自ら勉強しているという意識を持つことと、ただどの大学に受かりたいという目標を持つより何のためにどの大学に行きたいのかという目的を持つことが大切だと思う。そうすれば、自分の行動に責任を持って努力ができ、受験が終わって後悔することは無いと思う。そして勉強することが苦にならないと思う。
最後に、西荻塾でよかったと思うことがあれば
自分に合った指導をしてくれたことが良かった。私が苦手な問題を集めてプリントしてくれたり、授業で使う教材だけでなく自習の時に使えるものをプリントしてくれたりわからないところをすぐに聞ける環境がよかった。少人数授業なので、しっかり自分のことを見ていてくれてる感があって安心できた。
西荻塾での思い出を自由記述
楽しく受験勉強できて、私の人生に大きく影響を与えるであろうこの年を西荻塾で過ごせて良かったと思う。1年間塾の人と家族以外とは関わりがなかったが、塾での先生との何気ない会話などが私にとっては息抜きになり、苦もなく悔いもなく受験を終えることができた。
担当者コメント:お前成長したな。ほんとに(涙)。
さて
今年の受験でもっとも印象的だったのは、例年に比してなお、前日であろうと、かわりなくいつものように朝から受験生が自習にやってくるということ。さらには、試験後に、そのまま自習室に来て、いつもの時間まで自習をする受験生も例年に比して多く見ました。「いつものように」というのが染みついているかのようです。逆にこちらが心配になってしまって、あまりにも普通の顔で自習の机に座るものですから「今日・・・入試・・・だったよね?」なんて聞いてしまいました。
はじめにお断りしておきますが、それが望ましいとか、そういうことを述べるつもりはありません。最後は自分のペースで本番を迎えることが一番重要ですから。自習室に来た生徒は、それが自分のペースだったというだけのことです。
自分のペース
ただ、この「自分のペース」とはどのようなものなのでしょうか。
入試問題は、全くの初見ということはほとんどないと思っています。初見の問題を解決する能力というよりは、むしろ初見にならないように、とにかく経験を積み上げていくことが受験勉強であると思っています。
努力を真っ当に積み重ねてきた者は、道の切り開き方を悟る。そして、さらにその切り開きの質と量を鍛える努力を重ねます。受験を通して努力を覚える、というのは一貫して指導方針として掲げてきました。
この1年(以上)を今年の受験生たちと過ごしながら、直感的に感じたこと。
勉強の積み上げをコツコツとぶれずに行ってきて、最後に、なんども自分のミスや失敗と謙虚に向き合い、貪欲に「次」を求めている生徒を、我々は「自分のペースが作れてきているな」と直感的に感じました。
そういう生徒は、だんだんと質問が減る(ホントです)。そして、質問も鋭くなり、我々もアタマをフル回転して時間を要す切れ味のするどいものが。「自分のペースが作れた生徒」の鋭さと頼もしさは目を見張るものでした。
我々としては、いつでも何でも質問はWelcomeですので、上記の質問の話を「質問の量と合格力の逆相関」などと一般化するつもりは毛頭無く、むしろ、下の学年などにはもっと来いよ、と思っておりますが、「自分のペースを作る」とは、結局真っ当な努力によるものかと思います。
西荻塾が講師陣と共有する指導のモットーは、良き伴走者を勤め上げよということ。ゴールテープを切るのは受験生。我々は、伴走者として、「ペースの作り方」の重要性を改めて認識した年でした。
うれしいことをいってくれるじゃないか
ある既卒受験生が、
「緊張するのは、努力をこれまで積み重ねてきたからこその期待の裏返しである」
そう言って、試験会場に出向き、みごと現役の借りを返して花を咲かせてきました。
至極金言。合格は無論のことながら、その成長が喜ばしくて堪らない。そうやって巣立つ生徒が今年もたくさん生まれたことを、素直に我が胸に刻み込み、新たなる年度を迎えようと思います。
合格報告に来た生徒との対談で
自習室で、定位置で頑張っていた二人(AとB)。それぞれ、別々に前後して合格報告にやってきました。
A「あいつがあれだけ解けているのに、自分は、と思った。あいつがあれだけやっているのに、自分がやらないわけにはいかなかった。あいつがいたから、できた。一人では無理だった。」
B「あの子は絶対に休まなかった。いつ見ても、一心不乱にやっていて、それで自分もやらないわけにはいかない。あの子がいたからこそ、自分の合格はある。」
まったく「同趣旨の発言」がなされたことに喜びを禁じ得ませんでした。